兜の頭頂部には穴が開いているんです
兜の頭のてっぺんに穴が!!
当たり前のような話ですが、兜はかぶることを考えて作っています。
てっぺんにあたる頭頂部には、穴が開いているデザインの兜があります。
これって不良品…??
いいえ、機能性と役割のある大切な穴なんです。
「八幡座」と「天辺」と呼ばれる兜の穴
この穴は「天辺(てへん)」と呼び、穴の周りの金具と穴全体を「八幡座」と呼びます。
兜によっては穴がないデザインや、省略されて塞がっているものもありますが
本来は穴が開いているのです。
なんの為の穴なの?
天から神様がこの八幡座に降りてきてこの兜を被った人を護ってくれる、穴に神様が入り込むと考えたのです。
だから、神聖な穴に指を入れちゃダメ!
頑丈な兜で頭を守り、更に神様にも味方してもらえるように
安土桃山時代頃の兜には八幡座が多くついていました。
蒸れ防止にもなる優れもの◎
兜自体には通気性がないので、上に穴を開けて蒸れないようにする役目もありました。
てっぺんなら飛んでくる弓矢も入りにくいので、ちょうど良かったのかもしれません。
手間をかけてでも穴をつくる
実は頭のてっぺんに穴をつくるのはとても手間がかかります。
部品を正確に組まないと綺麗な穴にはなりませんし、穴の周りの装飾や仕上げも余分にかかります。
手間をかけて大切につくられた穴なのです。
八幡座のある兜もあれば、ない兜もある!
兜によって穴が開いていないデザインもあります。
例えば「南蛮兜」や鉄砲伝来後の兜には八幡座が無い兜が主流です。
時代や当時の流行によって、様々なデザインの兜がありました。
男の子の一生のお守り
一人の男の子を初節句から死ぬまで守ってくれる兜・鎧飾り。
八幡座は見えにくく注目されませんが、秀光人形工房では細部まで丁寧に製作しています。
一生ものだからこそ、こだわって選んであげてくださいね。