兜って色んな形がある!兜のデザインと武将のこだわり
なんでこんな形の兜があるの?
五月人形を選んでいると、様々な形の兜があることに気づきます。
兜と鎧は当時の武将にとって晴れ姿。
様々なモチーフ、素材を使って自分自身のデザイン兜が作られていました。
今回は、それぞれの形の意味をご紹介します!
上杉謙信の「三日月と日輪」
弓のような繊細な三日月のカーブと、中心の丸い太陽。
この「三日月と日輪」は特に人気がある形です。
謙信公は狐や烏帽子(えぼし)、文字付きなど多種多様なデザイン兜(変わり兜)を所有していました。
早くから変わり兜を取り入れていた謙信公だからこそ、シンプルで無駄のない「三日月と日輪」に行き着いたのかも!
現代でも愛され続けている兜です。
伊達政宗の「三日月、弦月」
シンプルなデザインが印象的な政宗公の兜。
銅像や仙台市博物館に所蔵されていることでも有名です。
実は、この「三日月」のデザインは正確には「八日月」と伝えられています。
左右非対称ながら、ここまでシンプルかつバランスの良い兜は珍しく、
名品中の名品です。
豊臣秀吉の「馬りん(ねじあやめ)の葉」
「武士らしい渋さ」から「華やかな豪華さ」へと変化した桃山時代。
この兜は、その桃山文化を代表するデザインの兜です。
「馬りん(ねじあやめ)」の葉を、まるで後光のように兜の後ろ側にさすようなデザインです。
馬りんは剣のような細い葉の植物です。
原産は唐と朝鮮で、芳香にも使われたんだとか!
徳川家康の「獅子に日輪と羊歯(しだ)の葉」
迫力と重厚さが格好いい家康公の兜です。
中央の鬼のような顔は中国から伝わったライオンの「獅子」です。
当時は神獣とされ、兜のデザインとして多く使われていました。
周りを囲むのは羊歯(しだ)の葉です。
細かい葉模様の彫金は、職人の腕の見せ所!
日本の金工技術が、当時から高かったことがわかります。
直江兼続の「愛の文字」
潔い「愛」の兜は、一度見たら忘れない人気のある兜です。
愛の字の根本には「瑞雲」という、めでたい事の前兆として現れる雲が彫金されています。
なぜ「愛」の文字の兜にしたのか、実は解明されていません。
愛染明王の「愛」という説が有力とされていますが、実際の所は謎のまま。
しかし形の美しさ、兜とのバランスの良さ等から、人気の高い兜です。
真田幸村の「六文銭と鹿角」
美しい「鹿角」は職人の腕の見せ所。
戦国時代、動物の角をイメージした兜は多くありましたが、
迫力と上品さのある幸村公の鹿角が一番格好いい!
中央の「六文銭」は仏教の六道銭から由来しています。
また「真田六文銭の赤揃え、真田日本一の兵」として当時から有名で
幸村公の兜には赤が使われています。
武田信玄の「獅子噛と白毛」
中央のお顔は中国から伝わったライオンの「獅子」を模しています。
信玄公は角を大きく配し、より神獣らしいデザインを採用したようです。
兜の頭頂部「八幡座」からは白毛が生えています。
兜に毛を生やすデザインは当時の流行のようで、
熊毛や羽毛、ヤクの毛など様々な物が残っています。
中でも信玄公の白毛は神秘的!また、シルエットも美しい兜です。
どれも手作りで仕上げる繊細なデザイン
当工房では他にも、様々な形の兜や鎧を取り扱っております。
多種多様な形や色は、見ているだけで心躍ります!
工房直営店ならではな、レアな兜も多数ございますので
是非、お気に入りの形を探してみて下さいね。